霧と梅と雲海の神秘ライド 月ヶ瀬梅林雲海チャレンジ

ライドログ
スポンサーリンク

はじめに

月曜日の午前3時、これから始まる1週間に向けて世界が目覚めていく束の間の静寂の時間。

こういう時間のナイトライドはとても気持ちいい。

前日日中降り続いた雨で乾ききっていない路面、穏やかな風に高まる期待。

今回は梅の花の見ごろである奈良と京都と三重の境界、「月ヶ瀬梅林」に雲海を見に行ってみよう、というライドです。

1.前日夕方頃まで雨
2.夜から明け方に晴れて、放射冷却が発生
3.風が穏やかな日

夕方まで雨
夜から未明にかけて晴れ(風のキャプチャは撮り忘れたw)

他にも色々ありますが、雲海の発生条件にバッチリ。

あとは運。

まぁ一度下見がてらルートを確認、その後一度寝坊で失敗しているんですが、今度は外したくない。

何とか午前2時前に目覚めて出発、途中ちょっと心が折れかけましたが久々に心の底からニヤニヤしたライドとなりました。

序盤の絶望、清滝峠

いきなり見出しがアレですが、序盤がある意味今回最大のヤマ、未明出発のライドあるある。

気持ちよく163号線を抜けて清滝峠を登り始めてすぐ、

やべぇウ〇コしてぇ(^o^)

ちょっと踏んで腸が起き、活発になったんでしょうか。突然の便意!確かに出発前は少ししか出なかった・・・。

引き返すか?

いや、清滝峠は確か途中からトンネルにショートカットできるはず。降りたらすぐにローソンがあるし行っちゃおう!

一切の迷いなく最序盤から34Tを選択。踏むとね・・・ベイビーが産まれちゃいそうなんですよ・・・。

急ぎたいけど踏むのが怖い、アンビヴァレンツ・ヒルクライム。(まぁ踏んでも遅いけど)

トンネルのショートカットは行ったことも正確に調べたことも無いので途中「ここかな?」と思って軽車両進入禁止の標識に絶望しつつ、何とか橋を渡ってトンネルに到着。反対側(大阪行き側)だけなのね。

このトンネルもほんの僅かな登り基調。グイグイ行きたくなる気持ちを抑えて括約筋をギュッと絞って1%~2%の勾配を34Tでクルクルクルクル。きっつ!

何とか登りきると当然下り、気温は5度くらいなんで当然スピードを出しすぎるとお腹が冷える。

何度か止まって凌ぎながら、20㎞/hくらいでソロリソロリと降りる。僕のお腹は急降下だよ!

で、何度か使ったこともある清滝峠(奈良側)の入口そばにあるローソンなんですが

まさかの閉店!この瞬間は世界の終わりクラスの絶望でした。先週も通ってるんですが閉まってたっけ?記憶にない。

ウ〇コ我慢して清滝登る皆さん、どうぞお気をつけください。下りてから1㎞ちょい先のファミマまでが「ほんとうのたたかい」ですよ!

運任せの雲海ライドでウンのつきとかマジでシャレにもならんわ!とか思えたのは後の話。必死に耐えながら何とか間に合ってファミマにイン。安心感に一息ついて20分ほど休憩。

暗闇の163号線を越えて

さて、気を取り直して再出発。できる事なら走りたくない道No.1、木津以降の163号線へ。

木津まではそこまでキツくもないのでまだマシなんです。

少し靄が掛かってワクワク。

でも木津~伊賀までは本当にデスゾーン。全部の箇所って訳ではないですが、

路肩ほぼ無しの場所を前からも後ろからもトラックがガンガン走って対向するのであまり距離を空けてくれずに通過していく危険地帯。

ここをトラックがガンガンすれ違う訳です。チャリの存在する余地など無い。

さすがに月曜未明、トラックはそれほど数は多くなかったですが怖いもんは怖い。

ちなみに装備的には

・前2灯(Volt800×2)
・後2灯(Omni5、RapidX)
・ヘルメット前1灯(Volt400XC)
・ヘルメット後1灯(Rapid mini)
・おにぎりリフレクター
・反射材ベスト

です。完全に安全な装備はあり得ないけど、まぁナイトライド装備としてある程度の被視認性確保はできてるはず。

それでもコーナー前で後続がいたら減速して先に行ってもらったり、避けられそうな場所があればあえて待機して後続をパスしたりとか、常に安全策で行かないと本当に神経が磨り減るエリアです。

東京から箱根を越えて500㎞走ったあとにこのエリアを走り抜ける人たちとか、体力や脚力以外にも集中力のレベルが人間の域を超えてますね。

笠置のローソンでコーヒー飲んで集中力を回復しながら南山城村 大河原の駅まで。

数十台のトラックにパスされて正直やめときゃ良かったレベルのつらい区間でしたが、ここ以降が楽しすぎたので「来てよかった!!」に置き換わりました。我ながら単純である。

霧と幻想のデブライド 名張川~月ヶ瀬梅林、そして雲海へ

予定通り空が白み始める頃に大河原の駅から県道82号を越えて名張川沿いに入ると、車もほぼゼロになり世界が一変。

想像以上の完全な霧世界。伊賀一帯は真田十勇士の伊賀忍者「霧隠才蔵」の名の通り霧が深いエリアとして有名ですが、条件が揃えば本当にとてつもない幻想空間でした。

まるで朧と弦之介が最後のシーンでアレしてそうな・・・。

甲賀忍法帖を引き合いに出すまでも無く、後に触れる恋志谷神社とか、弓ヶ淵とか夢絃峡とか様々な悲恋の謂れもある土地です。

幻想的で儚くて、幽玄の別世界。泣きそうになりながら、ニヤニヤ笑いながらキモく孤独に走る時間、もうめちゃくちゃに贅沢。動画でお伝えできないのが残念です。(デジイチで撮ったけど手ブレがひどい)

前回の下見で昼に訪れた時もそれなりに「きれいな所やなー」とは思いましたが、正直比べ物になりませんでした。

注)高山ダムです。見えないw

アップダウンを繰り返して10㎞200mアップ(何度か下るので獲得は300mちょいくらい)なので、ヒルクライムとまでは言わなくてもたまに10%程度はあるそれなりの登りですが、スピードはともかく楽しすぎて全く苦にならない。

でも、登り続けるうちに次第に疑問が湧いてきました。今日の目標としては月ヶ瀬梅林から雲海を見下ろす訳なので、登り終わる高度では霧が晴れてるんだろう、と思ってたんです。

霧、全然晴れへんやん!

そのまま月ヶ瀬梅林に到着。あれ?いや、幻想的は幻想的なんだけど、何とも言えないコレジャナイ感。なんも見えねぇwww

茶屋のばあちゃん曰く、「まぁたまにはあるけどここまでの霧は珍しいなー。こりゃ、だんだんうっすらと晴れていくから雲海は無理やぞ!」とのこと。マジかwww

とは言え無風状態だったので、補給食で持ってきたカロリーメイトとサーモス保冷ボトルに入れてきたホット紅茶で凌ぎながらしばらく(ほんの、たったの2時間ほど)待ってみました。

諦めかけた頃にだんだん向こう正面の稜線が見え始めて、

良い感じに。

想像してた「雲海で満たされた名張川を梅林越しに見下ろす」ではないですが、念願の「雲の上に自転車」が撮れたので良し!

まぁ標高は280mくらい(笑)

できれば到着直後にこれが良かったけどな!

霧の名残と恋志谷神社

この後、風が吹き始めてまたうっすらと一帯が霧に包まれたので、「こっからばあちゃんが言ってた通りに晴れていくんやろな」と思い帰路に着きました。

下り方面は北側斜面なので、まだまだ霧が残っています。

刻むねぇ。

だんだんと霧が晴れていく世界に、そこはかとない名残り惜しさと寂しさを感じながら下る、下る。

行きは何も分からなかった高山ダムもとってもフォトジェニック。背景の霧がダムの圧倒的な存在感を際立たせています。

で、下り終わって大河原ではこの晴天である。すごいいい天気。

さて行きは82号線から抜けましたが、橋の手前にちょっと雰囲気のある沈下橋があります。

名を「恋路橋」。なんというソロ殺しのネーミング。一人で渡ってやったぜ。ふふん。

その奥にはこの橋のネーミングの由来であろう「恋志谷神社」というこれまたエモい名前の神社があります。

後醍醐天皇の寵姫であった「恋志谷姫」(すごい名前)が病の身を押して伊勢から笠置に籠城する後醍醐天皇に会いに来たところ、当の後醍醐天皇は捕えられて隠岐に流された後だった(隠岐に流されたことは伝わらず「行方不明」とされた)。おそらく反鎌倉幕府で頑張る後醍醐天皇を健気に応援しに来たんでしょうが時すでに遅し、後醍醐ロスのショックから病が悪化して自害してしまうという悲恋の姫を祀った神社だそうです。後醍醐天皇はその後なんやかんやして鎌倉幕府を転覆しましたが、足利尊氏に離反されて足利幕府の礎となります。

自害の折に「もう私のほかにこんな悲しみを背負う人がいませんように」と祈ったかどうか、何故か「恋愛成就」や「疾病退散」「安産祈願」などの信仰があるようです。

後醍醐天皇→恋志谷姫への思いの丈については分かりませんが、後醍醐天皇ってすごいオラメンのイメージなので、楠木正成以外にも後醍醐天皇のカリスマに惹かれた人、しかも女性がいるってのはストーリーとしてはなかなか面白いんじゃないでしょうか。

っていうかそもそも、この時代の女性を祀った神社って珍しいような。

神主さん曰く、一時はメディアに取り上げられて訪問客で賑わったそうですが最近は少しさびれてしまっているようです。なかなかに清廉な神社なのになんか儚い。

終わりのデカ盛り 国境食堂カツ丼(大)

さて、後は帰りです。またまた163号線へ。

しばらくは車通りほぼゼロだったんですが、次第にトラックが増えてきました。

たまらず加茂あたりで府道44号線に離脱。

そろそろお腹が減ってきました。府道44号線と言えば、関西ヘビー級ラーメンの「原点にして頂点」、無鉄砲本店に行きたかったんですが

月曜休み。事前リサーチ不足ですが残念。大阪店は何度か行ったことありますが、本店巡礼したかった。

他に手近でそこそこ食べられる所は、と言う事でそのまま44号線を走った先にある国境食堂さんへ。

以前にも寄ったことがありますが、前回はトンカツ定食(大)、今回はデカ盛り看板メニューのカツ丼(大)で。

サイズの参考にvolt800を置いてみました。まぁデカい。味はやっぱり欲望のままに食い散らかす系でした。ていうか前回行ったときって88kg台だったのね・・・。確実にその頃より太ってるやんw

その後はもう何か満足しちゃって、木津川沿いのベンチで昼寝しながら

こんな感じで20km/h近辺でのんびりと帰ってきました。

アイウェアもメットもはずしてのんびりー

ログ

いやぁ楽しかった。霧と雲海のライド、超気持ちいいです。

163号線は走ってる人はそれなりにいるとは言え決しておススメできるルートではありませんが、大河原駅も始発でいけばこの時期日の出前に着けるので、アリなんじゃないかなと。






終わり。

コメント