【トレラン】渓谷沿いの廃線跡と暗闇のトンネル、武庫川廃線をゆく

ライドログ

2020年2月15日(土)。

相変わらずのカロリーオーバーで消費カロリーをチャラにした1週間が過ぎ、目覚めれば午前10時。

この日は夜過ぎから雨予報、この時間からだとロングライドでカロリー消費を狙うのはちょっと厳しい。近場でジョギングにするか?でも10km以上は膝に来るし、結局それほど消費カロリーを稼げない。

じゃあやっぱりトレランだよね、でも昨日も雨降ったし地面の濡れた山もどうかなぁ。

という事で、ピックアップしているトレランスポットから、平坦かつ見応えのある武庫川廃線に行くことにしました。



最近、完全にトレラン(※走れない)が主でロードバイクが従になっていますが、これはとても良い事なんじゃないかと思うようになりました。

ロードバイクに乗っていると「手段のためには目的を選ばない」的な、「乗ること自体が目的であって行き先はおまけ」みたいな自己矛盾を正当化するロジックに陥りがちです。

おしゃれなカフェも絶景も、車や電車でも行きたいと思えるレベルの場所はそう多くはありません。あくまで自転車に乗る方がメインで、行き先はついでです。

輪行して観光地までチョコっと(40~50km程度)漕ぐくらいならレンタサイクルでじゅうぶん。輪行先から100km超えてきたり30kmで獲得標高1,000m超えとかならまた別でしょうが、不労所得者かよほどストイックでない限りそんなポンポン自転車旅などできません。

で、自身の生活圏内で自転車に乗ること自体が目的化した火の無い灰たちは、篝火を求めて競技志向にたどり着きます。



この、競技志向そのものは全然悪くないんですが、他に選択肢が無いのが厳しい。


「ただひたすらに速くなる事」や「ぶっ通しで長距離を乗り続ける事」が目的になっても人それぞれの目標で良いですが、青ニートである僕の場合単純に飽きそうなんですよね。

ストイックに練習を続けたりちょっとでも軽くするために機材投資するのを「趣味・娯楽」と呼ぶのはなんか、戦争そのものを存在意義としたミレニアム、少佐率いるラスト・バタリオンのようだ。

「手段の為ならば目的を選ばない」という様な、どうしようもない連中も確実に存在するのだ

もちろん競技用の自転車であるロードバイクに乗る以上、目標を持ってストイックに速度を求める姿勢は健全そのものだと思います。

でも、「弱ペダ女子」とか揶揄された人たちを始めとして、ある程度(3年くらい)自転車にハマってから辞めてしまう人って結構多いと思いますが、そういう人たち(≒僕)が心折れるのはそういう「手段の目的化から目的そのものを見失う」、あるいは「速さを求める同調圧力的なもの」に行き詰まりを感じるからなんじゃないでしょうか。

関東地方でよく出てくるブログ「しおいんですけど」さんの最後の更新がナナチのフィギュア持って絶景に撮影しに行く記事で止まってるのはなかなか示唆的に思います。有終美。

或いは、某MTBに乗ったゴリラYoutuberが先日ブログで「ロードバイクはつまらない」という記事を上げていますが、MTBの方が楽しいからロードはクソ!とかそういう事ではなく、そういったロードバイク偏重、かつ「速く走る」志向の閉塞感、市場が伸びない感を憂いてのものじゃないかと邪推したり。でもバイクそのものが競技志向の設計なので、逃れられないジレンマですかね。

そんなこんなで、ロードバイクを移動手段として割り切って使う、という乗り方もアリかと。

まぁ、僕がストイック方面に向かわないのは食事制限したくないからですけど!

痩せる気あんのかwww

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武庫川廃線(JR福知山線廃線敷)とは

はい、安定のキモ書き出しを終えて今日の目的地、武庫川廃線に向かいましょう。

武庫川廃線は正式名称を「JR福知山線廃線敷」と呼び、現在のJR福知山線「生瀬」~「西宮名塩」~「武田尾」間の旧道部分にあたります。(旧線は道場まで続いていましたが残っているのは武田尾まで)

明治時代の敷設から武庫川の渓谷沿いを単線で走っていた路線が1986年、複線化に伴いレールの敷設が難しい渓谷沿いから山間のトンネルを抜ける新線に変更になったそうです。(wikipediaより)

武田尾駅付近の旧線を行くDD51牽引の旧形客車
wikipediaより引用 CC 表示 3.0, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=1355829

1986年の廃線以降、JR西日本は路線をそのままにしており、一部愛好家が無断立ち入りなどをしていましたが、2016年に安全柵等を整備し、正式にハイキングコースとして開放しました。(但し自己責任)

京都の保津川峡にも劣らない峡谷美で、桜やカエデも植林されており、現在はオンシーズンには観光客で賑わうちょっとしたハイキングコースです。

しかし今は冬。きっと観光客も少なく、僕好みの枯れた遺構が残るトレランスポットに違いない!
(さすがに土日、思ったよりは人がいました)

武庫川廃線跡を走る

今日は自転車は単なる移動手段と決めているので、ブラブラと武庫川サイクリングロード~十万辻を抜けて、特に写真も撮らずに(めぼしい風景が無いw)武田尾温泉まで。

お約束のバス停写真
もはや温泉施設は2件(うち1件は冬期休業)の武田尾温泉

武田尾温泉は、去年のGWに城崎ライドした時に道を間違えて迷い込んだことがあります。

試してませんが道場までの県道は壊滅しているらしく行き止まりなので、今後来ることはないだろうと思ってましたが、まさかトレランの目的地になるとは微塵も思いませんでした。

武庫川廃線は調べた感じ生瀬スタートの人が多いようですが、武田尾駅の駐輪場が一時保管場所の目の前での有人監視なのと、足湯があるので自転車的には武田尾スタートが正解でしょう。

駐輪場に水飲み場があるのがありがたい。補給しつつ駐輪場のおっちゃんと少し会話をして、トレイルスタート。


向こう側にかすかにトンネルが見えます。上に置いた昔の電車が走ってる写真と近い構図。

以降、写真は道順通りではありません。

保津川や香落渓にも引けを取らない風靡な渓谷。のすぐ脇を走る朽ちた枕木。路線を維持して観光用として再利用しても結構人気が出た気もします。

さすがに枕木と線路用のゴツゴツした玉砂利なので、走りやすいかというとメチャクチャ走りにくいですが、枕木を見極めながらタンタンタンと、玉砂利を踏みしめながら走る、走る。

めちゃくちゃ気持ちいい。今日いつものジョギングにしなくて良かったー!

走っていると数か所トンネルが出てきます。これがまた冒険感に溢れまくってる。

照明一切無し。50mほどのものから400mほどのものまで。途中で曲がってたりするので、光の一切差し込まない真の暗闇。振り向けば来た道も暗闇なんで苦手な人はキツいと思いますがVolt800のローモード(200ルーメン)1灯体制で十分に照らせます。

20人程度人とすれ違ったり追い越したりしましたが、スマホのライトで歩いてる人もいました。でもめっちゃ慎重に壁伝いに歩いてて、ちょっとスマホは止めといた方がいいかと^^;

途中、トンネルを抜けると橋がありました。


放置された鉄の質感がソソります。晴れてたらもっと映えただろうな、惜しい。

そして、点在する線路だった頃に使われていた朽ちつつあるモノたちやレンガ。萌える。




で、生瀬方面(蓬莱峡下ってきたあたり)に出て引き返してきました。

そういや蓬莱峡も自転車だとチラ見えするだけの名前負けスポットですが、トレイルだと中に入れるようなので今度行ってみよう。

来た道を返して武田尾まで。今までの写真はほとんど帰りに止まりながら撮りました。

足湯~ご飯食べるの忘れるインパクトの事故

う~ん、友ヶ島も楽しかったけど負けてねぇぞ武庫川廃線。サイクリングを手段としてトレランをメインの目的にするとものすごい充実感があります。先週サイクリングロードで200km走ってますが、ぶっちゃけ今日の方が断然楽しい。(来週はたぶんロングライドするけど)

終わった後のご褒美は武田尾の温泉旅館「あざれ」さんが解放している足湯でほっこり。

相変わらず自転車乗りを名乗るのが恥ずかしくなる太ましさやなぁ。痩せろ。

徒歩だとちょっと面倒な距離だけど自転車なので楽チンです。

明るかったらこの先に進んで、武田尾~道場の県道の状況を確かめたかったんですが暗くなりつつあったので撤退。

で、宝塚で有名なデカ盛り、餃子の王将宝塚IC店のオリジナルメニュー「ギガント天津飯」を食べようと思ってたんですが、とんでもない事故に出くわして、野次馬してたら興奮してお店を通りすぎてしまったので、そのまま帰ってきていきなりステーキ→コンビニ弁当で締めました。

炎上する車。ボンッ!ボンッ!!って鳴ってました。怖かったのでこれ以上近づけず。

ログ

武庫川廃線、大阪からほど近くにこんなスポットがあるのは凄いありがたいことです。

今回はちょっとしたヒルクライム(十万辻)を取り入れつつも、トレランのための移動手段として自転車を使ってみました。

駅直、距離もないので今度は電車で来てみても良いかもしれません。あくまでトレランというアクティビティを主目的にして、「別に電車で行ってもいいけどどうしよっか、せっかくだし自転車にしとこっかな」という選択の余地があると、自転車に乗るスタンスが変わるように思いました。


もちろん駐輪時間はそれなりにあるので自己責任な訳ですが・・・。






終わり。

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